元デバッガーによるアンラーニングラボ

人材開発担当になった元SEが、「オレオレ人材開発」から脱却し、人材開発のアレコレを学びほぐしていくブログです。

ワークショップデザインって何だ?

昨日は、東京大学の安斎勇樹特任教授が実施する

「ワークショップデザイン入門(基礎編)」に参加してきました。

http://yukianzai.com/blog/2014/07/16/556/

 

場所は東京大学福武ホール。

いかにも「安藤忠雄さんの設計!」って感じの建物です(笑)。

 

中に入ると、いい感じの音楽とお茶やお菓子、

そしてワークショップに関する本が置いてある。

最近のワークショップはこういう形式が多いけど、

こういう風にいい感じで空間が作られていると楽しい。

 

わらわらと20名近くが集まり、講座がスタート。

まずは、A4の紙を4つにおり、真ん中に自分の名前を書く。

そして他の4マスに、所属、講座への期待、ハマった遊びを2つ書く。

その紙を持って輪になり、時計回しをしながら1人30秒で自己紹介。

そこでグルーピングをしなおして、チーム分けをする。

自分のチームは半分が社会人、半分が学生という低年齢層チーム(笑)。

 この後、

「ワークショップとは(講義)」→

「体験(グループワーク)」→

「ワークショップ企画時のポイント(講義&演習)」

という流れで進みました。

以下、まとめ。

 

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◆ワークショップとは

・1905年にハーバード大学にて実施された演劇からワークショップができた。

 最初は、観客を巻き込みつつ演劇を作っていったのが始まり。

・ワークショップのキーワードは以下

 *遊び(非日常、それ自体が目的、自発ルール、競争系/表現系)

 *ひねり

 *「創る」と「学ぶ」

 *ノンフォーマル

  →最近企業で使われている理由は「フォーマル」な場である企業というものに、

   もっと「ノンフォーマル」な場が必要だと企業が感じているからではないか?

 *≠グループワーク

 *「多様性」と「コラボ」

 *発想

 *実験の場

・「学習環境デザイン論」では以下が大事。

 *共同体、活動、人工物、空間

 →A4の紙に書いた「はまった遊び」がそれぞれ上記4つの

  どこに合致するかを考えました。

 →「ホイジンガ」が書いた「ホモ・ルーデンス」という本を読むと

  より「遊び」について学ぶことができる。(ちょっと読みづらい)

 

◆ワークショップ事例

・「機能視点」ではなく、「ユーザー視点」を学んでもらうために、

 デザイナーと一緒に「アンプラグドサービス」を考える。

・とあるお笑いコンビの動画を見てもらい「ユーザー視点」をぶっ壊す。

・大学生にアイスの商品の良さを考えてもらい、CMを作る。

・レゴを使ってビジョン共有をする。

・マンガを実写化することで、そこに書かれている韻に気づく。

尾崎豊の「15の夜」をモチーフに、セルフリフレクションをする。

・トロル探しを通して、多義性と盲目性について考える。

 

◆ワークショップ体験

・「進撃の巨人」×「小さなおじさん」で、「進撃の小人」を探すワークショップ(笑)

・最初に「進撃の巨人」の説明、そのあと「小さなおじさん」の新聞記事、

 そして「巨人はいないけど、小人は見えてないだけかも」という

 方向に持って行くためのファシリテート。

 そこへの持って行き方がとても心地よい洗脳(笑)。

 「小人はいるかも~」という気になり、お外へGO!

・チームごとに以下をアウトプットする。

 *小人の遊び場の写真

 *遊んでいる風景をインプロで再現

 

◆ワークショップ企画時のポイント

・ワークショップデザインとは

 「参加者が普段とは異なるものの見方がから発想できる
  ”コンセプト”と”プログラム”を企画する」こと。

・コンセプトには「活動目標」と「学習目標」を考えておく必要がある。

 どちらから考えてもよいが、これらを往復しながらリンクさせることが重要。

・「活動目標」と「学習目標」がイコールのものはしらけやすくツマラナイ。

 もちろん人の集まりも悪い。

 ダメな例)動物の気持ちを考えることで、動物の気持ちや立場を理解する。

・ハンズに行ったりお笑いを見たりすることで、「活動目標」のネタ帳を作るとよい。

・レゴは抽象度が高く、作りこめないため作品作りに没頭しない。

 そのため、ストーリーテリングが発生する。そこがいい。

・一度ワークショップのデザインをしたら、本番でやるまえに

 仲間内でプレワークショップをやるとよい。そうすることで、

 「あ、ここがつながらない」などが見えてくる。

 

◆煮詰まったときのTIPS

・案がでない時は、対象物の歴史を調べる。

・学習目標はあるけど、活動目標がイケてないときは、

 「受講者がどういった発話をしているか?」を考えるとよい。

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いや~、最初のA4の紙に「遊び」を書いて、

それがワークショップでキーワードになる「遊び」につながって、

体験フェーズの小人の「遊び」につながると、

ストーリーができていることに関心しました。

ワークショップもここまでしっかりデザインされていると、

受講生が「?」ってならず、迷わず楽しい!

こんなワークショッパーになりたいな。

 

◆当日のパワポ

http://yukianzai.com/140809_wsd.pdf 

 

そしてまた、アンラーニングはつづく。

ホモ・ルーデンス (中公文庫)

ホモ・ルーデンス (中公文庫)

 
ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

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